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「モブ令嬢の旦那様~」第210話を投稿しました。

「こんばんわ皆様。ルリアです。第210話『鬼姫と若人たちの休日』が投稿されました」
「奥様、投稿報告ごくろうさまです」

「アルドラ、厨房の方はもうよろしいのですか? 最近はトナムさんに師事しているのですよね?」
「なっ、あッ、べっ、別にあの人とは何でもありませんよ! エスコフ料理長に勧められたから、菓子作りを教えて貰っているだけです!」

「……いったい何を慌てているんですか? 別に客人に師事したからといってお叱りを受けるような事はありませんよ。料理長が進めたのですからなおさらです。そんな事は無いでしょうが、もしもロバートが問題視するようでしたら私に言ってください。しっかり取り成しますからね」
「あっ……いえ、……そういう事では……」

「ルリアさまが鈍感でよかったですねアルドラ」
「アネット? 鈍感とはどういう意味でしょうか?」

「いえいえ何でもございませんルリアさま。……ロバート様と熱愛の末に結ばれたわりに、ピュアと言いましょうかなんと言いましょうか……」
「アネットさん……」

「……何でしょうか、なんだかバカにされている気がします」
「いえいえバカになど――ルリアさまの心清さに感動しているだけです。ねえアルドラ」
「ハッ、はいアネットさん。ルリアさまの心遣いに感謝いたします」

「……何でしょう、やっぱり何かかみ合っていない感じがします」
「ルリアさま、そろそろお時間です。それでは皆さん、また次回投稿報告でお会いいたしましょう。さあアルドラも――」
「はい! 皆様、失礼します!」

※「モブ令嬢の旦那様は主人公のライバルにもなれない当て馬だった件」は、
小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベルバ」さんに同時投稿しております。

第210話こぼれ話
 今話、後半にトナムさんがアルドラに語りかけている中で、カーレム夫妻の名前などのモデルにさせて頂きました、中世の偉大なる菓子職人にして料理人アントナン・カーレムが、製菓の芸術性について語った言葉を使っています。
 ですがこの言葉、私の知っているだけで三種類くらい別のパターンがあります。

 ひとつは、ただ単に「製菓は芸術の五分野の中の建築に含まれる」と、言っただけのもの。
 今ひとつは、「芸術の分野は五つある。絵画、詩、音楽、彫刻、建築。だが建築は他の四つの分野を複合的に含み、製菓はその建築の分野の中にある」というもの。
 最後の一つは、「芸術の分野は五つあるが、製菓は建築に含まれる。だが、製菓は、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、五感全てに訴えかける事を考えれば、究極の芸術である」というもの。

 とりあえず今回は、真ん中の言葉を使わせて頂きました。
 ちなみに、建築に含まれる理由がもう少し細かく語られているのですが、そのあたりは長くなるのではしょりました。
 あと、後ろの方の話になるほど菓子職人さんから耳にします。

 また、カーレムの活躍した時代では芸術の分野を五つとしておりましたが、現在では演劇・舞台なども加わってあと何種類か増えているようです。

 さらなるこぼれ話になりますが、実は私、このアントナン・カーレムが書き記した「19世紀のフランス料理術」という本の初版版を手に入れる機会があったんです。
 ただし、全五巻90万円という値段で、就職したばかりの私には手に入れられるだけのお金がありませんでしたが。(いや、金があっても買ったかどうかは別問題なんですけどね)

 本の中で何百ものレシピやテーブルセッティングを披露している「19世紀のフランス料理術」は1833年から34年にかけて全5巻が刊行された、カレームの著作の中でも特に有名なものですが、執筆中に彼が没してしまったために、最後の2巻はカレームの弟子の手で完成しました。

アイキャッチ画像問題
 今回を含めて三回、ブログの投稿記事にアイキャッチ画像が入っていません。
 やっぱり、「モブ令嬢の旦那様は主人公のライバルにもなれない当て馬だった件」関係のためのアイキャッチを作った方が良いだろうか?
 しかし、フリーの写真素材やイラストにイメージ的に使えそうなものが見付からないんですよね。
 元々はマンガ描きなので描けないことは無いけど(もう長いこと描いてないので、思ったとおりに線が引けなくて驚きましたが)、その時間の分、物語を進めた方が良いし、コミカライズの件もあるので、下手に自分の絵で読者の皆さんにイメージを植え付けてもいけない気もする。

 とりあえず、今しばらくはアイキャッチ無しの投稿になってしまうと思います。

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